【WS】カードの規制に対する訴訟について【TCG】
※10月26日 追記
アクセスありがとうございます。
本日確認しましたところ、私よりも法律に詳しい方からコメントでご指摘をいただきました。
どうやら私が適当に調べた程度で導いた結論=裁判で負ける可能性 はありえないようです。
付け焼刃の知識で適当なことを言うものではないなと反省しつつ、今回の件では法律のことについて学べて有意義なものになりました。
ご指摘をいただいたコメントの方に感謝すると同時に、今回の件で誤解を与えてしまった読者の方に深くお詫びいたします。
以下にご指摘のコメントを引用しますので、ぜひご一読ください。
~ここから引用~
法律を多少かじった人間が見ると、色々間違いが含まれているので、誤解を生む内容になっています。
以下、気づいた部分について詳細に述べさせていただきます。
まず民法709条不法行為を根拠に損害賠償を請求するなら、以下の要件をすべて満たさなければなりません。
①権利又は法律上保護される利益の侵害
②故意・過失
③損害の発生
④①と③の因果関係
⑤責任能力
⑥違法性阻却事由がない
これらの検討を個別にすべきところ、全体的にまざっていたり、要件の解釈を誤っている部分が散見されます。
>「2.損害賠償とは何か」全体
>「5.規制を行うことの正当性」全体
「正当な理由がある場合」「正当性」の部分は、要件⑥の「正当な業務行為の場合は他者の権利を侵害しても違法性が阻却される」という部分を参考にしたのだと思われますが、①と⑥の要件は別なので、「正当行為だから侵害がなくなる」わけではありません。①と⑥の検討がまざっています。
また、⑥違法性阻却事由にあたる正当行為は、正当防衛や緊急避難と並ぶことからもわかるように、医師の医療行為や警察官の逮捕に伴う犯人制圧行為といった、非常に例外的な場合を指すものです。
>3.精神的苦痛について
>これらの規制・制限は、エキスパンションの発売当初に認められた自由なカードの選択を奪うもの(自由権の侵害)であり、精神的な苦痛を受けたという主張にも一定の妥当性があると考えます。
事実誤認があります。事実としては、ブシロ側は「自己が開催する特定の大会で適用する、自己が設定するルールにおいて、デッキ構築に制限を加えている」のみです。
ブシロが設定したルールに基づいて開催される特定の大会は、ルールに従うことが前提であり、ユーザーはそれを承諾して参加するものなので、権利・利益侵害は存在しません。
そして、ユーザーはその特定の大会に参加する時以外は自由にデッキを組めるため、「自由なカードの選択が奪われた」と言うことは難しいです。
>3.精神的苦痛について
>(※ここでいう「権利」とは法律上の権利に限らないとされているそうです[3]。)
正確には「法律上保護される利益」であって、法律上の権利でなくとも、法律上保護されるべき利益でなければなりません。
>「4.財産的損害について」全体
私法である民法上の話に、行政である国税庁の税制に関する通達は無関係です。
>6.まとめ
>一方で、ディベロッパーがあまりにも適当なデザインを行い、商品として欠陥のあるものを売りつけたと見なされれば、規制・制限で対応することは一方的に権利を侵害する行為とみなされる可能性もあります[11]。
>販売した商品が不良品とみなされ、ディベロッパーの責任として規制・制限の正当性を認められない可能性があります。
引用しているのは製造物責任法ですが、製造物責任法上の「欠陥」は以下の通り明確に定義が定められています。
この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。(製造物責任法第2条2項)
つまり、この「欠陥」はカードのパッケージが刃物のように鋭くて手を怪我した、カードが破裂して使用した人が怪我をした、といった場合の欠陥を指すものです。
カードのデザインに関して、製造物責任法の適用可能性はゼロです。
以上です。
心情としては実感をもって理解できる部分もあるのですが、訴訟となると色々難しそうですね…
~引用ここまで~
※10月15日 追記
拙い記事ですが、アクセスいただきありがとうございます。
とりあえず、ブログを読んでいただけた方は様々な感想を持っていただけたと思います。
私自身も考察の対象として面白そうだと思っただけで、実際のところは大事になって欲しくないと考えています。
まあ、当該ブログもどうやら消されているようですし、訴訟の起こすという件も殆どありえなくなったと言えるでしょう。
若干残念に思うのは、Twitterによる画像転載の部分だけを読んだ方や、タイトルだけ見て内容を読まない方などが、誤解をしていることが結構多そうだということです。
別に私自身は訴訟を起こそうとか、微塵も考えてないですよっと。
お目汚し失礼しました orz
先日、ToCaGe上のブログにおいて、下のような記事が投稿されました。
※10月14日17:15分追記
当該ブログのエントリーが削除されていることを確認しました。
「もう一回ブシに要望書送りました」
http://tocage.jp/blog/12252/1412451575.html
"艦これ規制1つでもいいから解除を求める
(中略)
今後として要望が決裂した場合は東京地裁に訴訟提出予定です(精神的苦痛と財産的損害)"
当該記事以外にもブシロードへの批判、規制賛同派への批判・攻撃等ありますが、本記事では触れないこととします。
様々な要因のもと物議をかもしている記事ですが、注目したいのは「ブシロードへの訴訟を検討している」という点です。
一般に、TCGにおいてカードの制限・規制は(個々人の不平不満はあれど)必要なものとして認識している人が多数だと思われます。
私自身も今回の制限・規制は妥当なものと考えており、特に不満などは持っていません。
対して、当該記事の筆者は精神的苦痛と財産的損害を理由に、訴訟を起こす意思を述べています。
本記事では当該記事で述べている訴訟の妥当性について検討したいと思います。
※記事中で法律等の文章を参照して意見を述べることがありますが、私自身は法律の専門家ではないため、一部不正確な内容である可能性を、ご了承ください。
※また、文献の参照もインターネット上のものを中心に行っておりますことをご了承ください。
10月14日更新
・誤字、脱字の修正をしました。
・一部表現を分かりやすいものに変えました。
・まとめの部分に裁判の影響の可能性を移動しました。
・参考文献に「製造物責任法」を追加しました。
・記事の最初の部分に、私のスタンスを追記しました。
目次
1.はじめに
‐艦隊これくしょんの規制
‐当該記事の主張の解釈
2.損害賠償とは何か
3.精神的苦痛について
4.財産的損害について
5.規制を行うことの正当性
6.まとめ
‐損害賠償は発生し得るのか
‐裁判が起こった場合、世間に与える影響
7.個人的見解
参考文献
アクセスありがとうございます。
本日確認しましたところ、私よりも法律に詳しい方からコメントでご指摘をいただきました。
どうやら私が適当に調べた程度で導いた結論=裁判で負ける可能性 はありえないようです。
付け焼刃の知識で適当なことを言うものではないなと反省しつつ、今回の件では法律のことについて学べて有意義なものになりました。
ご指摘をいただいたコメントの方に感謝すると同時に、今回の件で誤解を与えてしまった読者の方に深くお詫びいたします。
以下にご指摘のコメントを引用しますので、ぜひご一読ください。
~ここから引用~
法律を多少かじった人間が見ると、色々間違いが含まれているので、誤解を生む内容になっています。
以下、気づいた部分について詳細に述べさせていただきます。
まず民法709条不法行為を根拠に損害賠償を請求するなら、以下の要件をすべて満たさなければなりません。
①権利又は法律上保護される利益の侵害
②故意・過失
③損害の発生
④①と③の因果関係
⑤責任能力
⑥違法性阻却事由がない
これらの検討を個別にすべきところ、全体的にまざっていたり、要件の解釈を誤っている部分が散見されます。
>「2.損害賠償とは何か」全体
>「5.規制を行うことの正当性」全体
「正当な理由がある場合」「正当性」の部分は、要件⑥の「正当な業務行為の場合は他者の権利を侵害しても違法性が阻却される」という部分を参考にしたのだと思われますが、①と⑥の要件は別なので、「正当行為だから侵害がなくなる」わけではありません。①と⑥の検討がまざっています。
また、⑥違法性阻却事由にあたる正当行為は、正当防衛や緊急避難と並ぶことからもわかるように、医師の医療行為や警察官の逮捕に伴う犯人制圧行為といった、非常に例外的な場合を指すものです。
>3.精神的苦痛について
>これらの規制・制限は、エキスパンションの発売当初に認められた自由なカードの選択を奪うもの(自由権の侵害)であり、精神的な苦痛を受けたという主張にも一定の妥当性があると考えます。
事実誤認があります。事実としては、ブシロ側は「自己が開催する特定の大会で適用する、自己が設定するルールにおいて、デッキ構築に制限を加えている」のみです。
ブシロが設定したルールに基づいて開催される特定の大会は、ルールに従うことが前提であり、ユーザーはそれを承諾して参加するものなので、権利・利益侵害は存在しません。
そして、ユーザーはその特定の大会に参加する時以外は自由にデッキを組めるため、「自由なカードの選択が奪われた」と言うことは難しいです。
>3.精神的苦痛について
>(※ここでいう「権利」とは法律上の権利に限らないとされているそうです[3]。)
正確には「法律上保護される利益」であって、法律上の権利でなくとも、法律上保護されるべき利益でなければなりません。
>「4.財産的損害について」全体
私法である民法上の話に、行政である国税庁の税制に関する通達は無関係です。
>6.まとめ
>一方で、ディベロッパーがあまりにも適当なデザインを行い、商品として欠陥のあるものを売りつけたと見なされれば、規制・制限で対応することは一方的に権利を侵害する行為とみなされる可能性もあります[11]。
>販売した商品が不良品とみなされ、ディベロッパーの責任として規制・制限の正当性を認められない可能性があります。
引用しているのは製造物責任法ですが、製造物責任法上の「欠陥」は以下の通り明確に定義が定められています。
この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。(製造物責任法第2条2項)
つまり、この「欠陥」はカードのパッケージが刃物のように鋭くて手を怪我した、カードが破裂して使用した人が怪我をした、といった場合の欠陥を指すものです。
カードのデザインに関して、製造物責任法の適用可能性はゼロです。
以上です。
心情としては実感をもって理解できる部分もあるのですが、訴訟となると色々難しそうですね…
~引用ここまで~
※10月15日 追記
拙い記事ですが、アクセスいただきありがとうございます。
とりあえず、ブログを読んでいただけた方は様々な感想を持っていただけたと思います。
私自身も考察の対象として面白そうだと思っただけで、実際のところは大事になって欲しくないと考えています。
まあ、当該ブログもどうやら消されているようですし、訴訟の起こすという件も殆どありえなくなったと言えるでしょう。
若干残念に思うのは、Twitterによる画像転載の部分だけを読んだ方や、タイトルだけ見て内容を読まない方などが、誤解をしていることが結構多そうだということです。
別に私自身は訴訟を起こそうとか、微塵も考えてないですよっと。
お目汚し失礼しました orz
先日、ToCaGe上のブログにおいて、下のような記事が投稿されました。
※10月14日17:15分追記
当該ブログのエントリーが削除されていることを確認しました。
「もう一回ブシに要望書送りました」
http://tocage.jp/blog/12252/1412451575.html
"艦これ規制1つでもいいから解除を求める
(中略)
今後として要望が決裂した場合は東京地裁に訴訟提出予定です(精神的苦痛と財産的損害)"
当該記事以外にもブシロードへの批判、規制賛同派への批判・攻撃等ありますが、本記事では触れないこととします。
様々な要因のもと物議をかもしている記事ですが、注目したいのは「ブシロードへの訴訟を検討している」という点です。
一般に、TCGにおいてカードの制限・規制は(個々人の不平不満はあれど)必要なものとして認識している人が多数だと思われます。
私自身も今回の制限・規制は妥当なものと考えており、特に不満などは持っていません。
対して、当該記事の筆者は精神的苦痛と財産的損害を理由に、訴訟を起こす意思を述べています。
本記事では当該記事で述べている訴訟の妥当性について検討したいと思います。
※記事中で法律等の文章を参照して意見を述べることがありますが、私自身は法律の専門家ではないため、一部不正確な内容である可能性を、ご了承ください。
※また、文献の参照もインターネット上のものを中心に行っておりますことをご了承ください。
10月14日更新
・誤字、脱字の修正をしました。
・一部表現を分かりやすいものに変えました。
・まとめの部分に裁判の影響の可能性を移動しました。
・参考文献に「製造物責任法」を追加しました。
・記事の最初の部分に、私のスタンスを追記しました。
目次
1.はじめに
‐艦隊これくしょんの規制
‐当該記事の主張の解釈
2.損害賠償とは何か
3.精神的苦痛について
4.財産的損害について
5.規制を行うことの正当性
6.まとめ
‐損害賠償は発生し得るのか
‐裁判が起こった場合、世間に与える影響
7.個人的見解
参考文献
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テーマ : ヴァイスシュヴァルツ
ジャンル : ゲーム